ヒトリゴトページ。

主に創作の話とゲームの感想、プレイ記録。テイルズオブ多め。更新は不定期です。

「好きなものを、好きなように、好きなだけ」をモットーに書いていく、創作とゲームの話がメインのブログです。

●2021.3[創作小説公開場所:concerto]にて創作小説の投稿再開してます。

読了『イニシエーション・ラブ』

「イニシエーション」まで入力すれば予測変換で出てくるくらいには有名なお話のようですが、初めて読みました。肝心な部分は伏せてネタバレはせず、さっくりと読了感想です。



ミステリを書いてみたい&そのための勉強がしたい、と最近思い始めていて、ちょうどその頃にたまたま立ち寄った大きめの本屋でミステリ特集スペースがありました。

割とこういう出会いのことは「巡り合わせ」と思って信頼しがち。で、せっかくなのでその中から買ってみたのがこちら。殺人・刑事事件系を本当は読むつもりだったんだけど、立ち読みしてたら何故かそうじゃないものを選んでしまった。

 

巻末の解説にもそう記載されていた通り、全体的な展開は本当に「普通の恋愛(※ただし1980年代後半における普通)」。なので私にとっては退屈に感じられる話だったり、時に理解が及ばない思考回路だったり、ああこの当時はそんな感じだろうねえなどと昭和〜平成に思いを馳せていたりしたのだけど、これは確かに最後二行で全てひっくり返ったわ。読み終えた直後の感想第一声は「……あれっ?」で、ワンテンポ遅れて謳い文句の意味を理解したよw

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解説・答え合わせを本文中ではっきりさせず読み手自身に想像させる、すなわち読解させる作りが私は好きです! 読み終えてから面白くなる、という稀有な体験をしました!

でも割とミステリだとそういうこと多いか? 元々私は結構小説読み返す派…というか小説に限らず漫画でもアニメもで、特にゲームにおいても同じRPGを周回プレイする、その類の人間です。結末を踏まえて序盤の描写を拾っていく行為が好きではあります。もちろんミステリ以外の小説でも。大抵の物語は、エンディング後に見直すと意外に新発見が多いんですよね

トリック内容も、私はミステリ経験値が低いのでしてやられましたが経験値の高い人なら途中でわかったかもしれないんじゃないか…? 気付けそうなポイント、細かい違和感には心当たりが何点かありますよ

ハッピーエンドでもバッドエンドでもない、別にどちらにも該当しない、ありふれた「普通の恋愛」というのが私の感じた結論です。ただ、そう感じたのも事実なのだけど、それはあくまでも一側面のみを見た時の話。この本の内容が本当に「普通の恋愛」なら、私は嫌だよ! …で、全体の感想まとめとさせてくださいm(_ _;)m

通過儀礼の恋」についても、自己防衛と正当化のための方便に過ぎないんじゃないかと私は思ったので作中人物には割と批判的な意見が多いですね。面白く感じたからこそ、こうやって感想記事書いて上げてるんですけどね。

 

 

今現在で成人したての人、つまり2004~2005年辺りで生まれた人を仮に例としてみると、テレカやら家の電話番号やらがピンと来ない可能性が結構高いと思うのですがどうでしょうか。幸い(?)、私は割と80~90年代で時代設定されているお話を読んだりその当時の常識・文化レベルを学んだりする機会がそこそこあったので、全く何もわからないということはなかったけども。公衆電話自体を知らない若者の存在はどこかで耳にしたことがあるよ。

とはいえその頃に放送されていたドラマやテレビ番組事情はまるで存じ上げませんので、解説ありがとうございました。特にドラマの内容。それを知った上で聞くその感想には突っ込まずにはいられない…。

 

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この書き方の小説だからこそ可能な仕掛けじゃないのか? と思うんだけど、映画もあるんですね。どうやったらこれを映像作品で表現できるんだ? 映像だからこその描き方に工夫されてる?

ほんのちょっとだけ検索してみて、極度に酷い評判もなさそうに見えたし私自身の興味もあるのでそのうち見てみるかも。配信かレンタルかあるかな。ストーリー面よりも、トリック面の取り扱いが気になります。